付けたり(読み)ツケタリ

デジタル大辞泉 「付けたり」の意味・読み・例文・類語

つけ‐たり【付けたり】

動詞「つ(付)く」の連用形+完了の助動詞「たり」から》
本来のものにつけ加えられただけの、重要でないもの。添えもの。
うわべだけの名目口実。「出張とは付けたりで、実は遊びに行くのさ」
本題に付随する別の事項を加える意で、書物目録などに用いる語。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「付けたり」の意味・読み・例文・類語

つけ‐たり【付たり】

  1. [ 1 ] 〘 連語 〙 ( 動詞「つく」に助動詞「たり」の付いたもの ) 本題に付随する別の事項を加えた、という意で、作品の目録などに用いる。付録。
    1. [初出の実例]「清水炎上〈付(つけたり)東宮立〉」(出典:高野本平家(13C前)一)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 本来の物に添えられた副次的なもの。主に対して従となるもの。重きを置かない添えもの。
    1. [初出の実例]「ことにつけたりがましくおぼしめし候はんずる程に」(出典:東寺百合文書‐を・(応永一一年)(1404)一〇月二五日・上久世庄名主百姓等申状)
    2. 「鎌倉夫人はこの頃音楽学校へ通って居るよ。〈略〉実は音楽は附(ツケ)たりだといふことだぜ」(出典:鎌倉夫人(1902)〈国木田独歩〉上)

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