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出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報
…江戸末期の〈生世話〉も徹底した写実主義の演劇になったわけではなかった。たとえば,正面を向いてする演技,見得,立回り,だんまりといった様式,大道具,小道具,化粧,扮装などは,いずれも絵画的もしくは彫刻的な景容の美しさを目標とし,下座の音楽や効果,ツケの類は写実性をめざすものではなく,情緒的な音楽性をねらい,あるいは擬音を様式化して誇張したものである。どんな場面の,どんな演技・演出も,舞台に花があり,絵のように美しい形に構成されていなければならない。…
…歌舞伎の演出に,効果,修飾,背景,伴奏音楽として,原則として舞台下手の板囲いをし上部の窓に黒いすだれをさげた〈黒御簾(くろみす)〉で演奏される歌舞伎囃子の通称。〈黒御簾音楽〉〈陰囃子〉(略して〈黒御簾〉〈陰〉とも)などの別称がある。ただし〈陰囃子〉は,狭義に,出囃子,出語りについて黒御簾の中で演奏される鳴物を意味することが多い。〈下座音楽〉は,昭和の初めごろから〈下座の音楽〉を熟語化していわれるようになったもので,これを職分とする〈囃子方〉は,ふつう〈下座音楽〉とはいわない。…
…のち安永(1772‐81)ごろには,現在に伝わる基本型が完成されたと見られる。下座音楽も主として〈六つの花〉〈ドンタッポ〉〈忠弥〉などに限られ,かどかどではツケ(役者の演技を印象づけるため,舞台上手で板を二本の柝(き)ではげしく打つ演出)が打たれ,投げられたり切られた者はとんぼ(宙返り)を返る技術を必要とする。 歌舞伎で刀を用いた立回りの型には以下の種類がある。…
※「っけ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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