付入(読み)つけいる

精選版 日本国語大辞典 「付入」の意味・読み・例文・類語

つけ‐い・る【付入】

[1] 〘自ラ五(四)〙
① 敵が見せる隙(すき)に乗じて攻める。相手弱みをとらえてことをなす。好機をうまくとらえて利用する。つけこむ。
※百丈清規抄(1462)四「別の清規に花支巧破と云事があるぞ。面白してつけ入てぬすむを云ぞ」
② 相手が気を許すのに乗じてはいりこみ、機嫌(きげん)をとり結んで自分の利をはかる。つけこむ。
※浮世草子・好色二代男(1684)一「爰は禿のかしこさ。いはねど合点して〈略〉。太夫につけ入、枕の前後をはなれず」
[2] 〘他ラ下二〙
① あるものに別のものを付け加えて取り入れる。
史記抄(1477)一一「今又穰苴が司馬の官でしたる兵法があるほどに、もとの司馬法に附入て其を司馬穰苴兵法と云ぞ」
② 逃げる相手を追いかけて、城などへはいり込ませる。つけこむ。〔日葡辞書(1603‐04)〕

つけ‐いり【付入】

〘名〙
① 敵に追い討ちをかけて城に追い入れ、勢いに乗じて城へ攻め込むこと。
信長公記(1598)首「其時佐脇を生害させ、付入に城を乗取り、相図の煙を揚ぐべく候」
② 相手のすきや寛大さに乗じて攻めたり、うまくたちまわったりすること。つけこみ。
評判記色道大鏡(1678)一「付入(ツケイリ) 我はなさぬ女郎に、外の物語をしかけ、心をくつろげをきて、外を我身に引かけ、いひよる㒵(かたち)をいふ」

つけ‐いれ【付入】

〘名〙 好機に乗じて城内へ攻め入ること。つけこみ。
※日葡辞書(1603‐04)「Tçuqeireuo(ツケイレヲ)スル」

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