仮す(読み)カス

デジタル大辞泉 「仮す」の意味・読み・例文・類語

か・す【仮す】

[動サ五(四)]《「貸す」と同語源》
仮に与える。
海鳴りに耳を―・しつつ」〈佐藤春夫晶子曼陀羅
許す。仮借かしゃくする。
「不法の者があれば…寸毫も―・さず」〈福沢福翁自伝
[可能]かせる

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精選版 日本国語大辞典 「仮す」の意味・読み・例文・類語

か・す【仮】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙
  2. (かり)にあたえる。労力能力、時間などを仮に人に提供する。貸す。
    1. [初出の実例]「我に、数年を、天が仮してまちっと久く生て」(出典:応永本論語抄(1420)述而第七)
    2. 「我輩一臂の力を仮しても宜しい」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二)
  3. 見逃す。ゆるす。仮借(かしゃく)する。
    1. [初出の実例]「其諸侯に対する一に家康在世の時のごとく一毫も仮す所なかりき」(出典:日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉五)

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