台風や強い低気圧が海上にあるとき、近くの海岸で聞こえる遠雷のような音。海岸から数キロメートル離れた所でも聞こえる。たとえば海岸から5~6キロメートル離れた宮崎市内でも場所により聞こえることがある。宮崎県、高知県などの太平洋岸では遠雷のように、瀬戸内海、大阪湾などでは1発ずつの大砲の音のように聞こえることが多い。うねりや波浪が海岸近くでくだけるとき、水と水とが衝突する音、あるいは水中に巻き込まれて圧縮された空気がすきまから噴出する際の音といわれる。海鳴りは一般に海岸よりすこし離れた所でよく聞こえるが、都市化の進行に伴う雑音のため近年では都会でこれを聞くのはまれとなった。海鳴りは台風や低気圧の接近の一つの指標である。
[半澤正男・高野健三]
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