仮名文字遣(読み)カナモジヅカイ

デジタル大辞泉 「仮名文字遣」の意味・読み・例文・類語

かなもじづかい〔かなモジづかひ〕【仮名文字遣】

南北朝時代仮名遣い書。1巻。行阿ぎょうあ源知行)著。貞治2年(1363)以降の成立行阿の祖父源親行藤原定家の「拾遺愚草」を清書したとき、定家承認を得て統一した仮名遣いを、行阿がさらに増補したもの。中世以降、尊重された。定家仮名遣行阿仮名遣

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精選版 日本国語大辞典 「仮名文字遣」の意味・読み・例文・類語

かなもじづかいかなモジづかひ【仮名文字遣】

  1. 南北朝時代の仮名づかい書。一巻。行阿(源知行)著。貞治二年(一三六三以後の成立。「下官集」の三組八文字を増補して六組一四文字の仮名づかいについて、具体的な語に即しつつ示したもの。自序に、祖父源親行が定家の「拾遺愚草」を清書したとき統一した仮名遣法を定家の承認をえて、さらに増補したものとある。きわめて尊重され、増補を重ねた。定家仮名遣。行阿仮名遣。

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世界大百科事典(旧版)内の仮名文字遣の言及

【仮名遣い】より

…定家は仮名遣いの原理を詳しく説明しなかったが,歌道における藤原定家の盛名によって,この仮名使用法は,和歌や物語類を平仮名で記す作法として世に行われるようになった。
[行阿仮名遣い]
 南北朝のころ,源知行(出家して行阿と号する)は,定家が問題とした8種の仮名のほか,〈は〉〈〉,〈ふ〉〈う〉などの項目と,多くの,語例とを増加して《仮名文字遣》を著した。《僻案》は限られた人々にしか知られなかったが,《仮名文字遣》は広く行われて,これが世に定家卿の仮名遣いと認められた。…

※「仮名文字遣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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