伊丹空港騒音事件(読み)いたみくうこうそうおんじけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「伊丹空港騒音事件」の意味・わかりやすい解説

伊丹空港騒音事件
いたみくうこうそうおんじけん

兵庫県川西市,大阪府豊中市の住民ら 272人が国に対し,伊丹空港騒音振動排出ガスなどによる損害賠償,夜間 21~7時の間の飛行機発着の禁止などを求めた事件。 1969年 12月,第1次訴訟が大阪地方裁判所に提訴され,同裁判所は 74年2月,判決下し,騒音による被害賠償1億 1200万円を認め,他方夜間飛行の禁止についてはほとんどその主張を退けた。このため,原告控訴控訴裁判所の大阪高等裁判所は 75年 11月,第1審判決を大幅に変更し,夜間 21~7時の飛行禁止,過去および将来にわたる一定の被害賠償請求権の認容など,住民側主張をほぼ認める判決を言い渡した。被控訴人である国側は,当面 21~7時の飛行をとりやめたが,この判決に不満で,上告。最高裁判所は 81年 12月に過去の損害賠償以外の請求を却下した。

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