朝日日本歴史人物事典 「伊勢貞陸」の解説
伊勢貞陸
生年:生年不詳
戦国時代の幕府吏僚。貞宗の子。七郎,兵庫頭,備中守,伊勢守。従四位上。初名貞隆。隠居後,汲古斎と号す。延徳2(1490)年足利義稙の将軍就任とともに政所執事となり,大永1(1521)年まで在任。文明17(1485)年12月の山城国一揆による畠山政長の守護更迭後,山城守護に就任。これは同国が室町幕府最後の経済基盤であることを象徴する人事であった。同国一揆鎮圧の明応2(1493)年8月にも守護に再任されたが,同6年には守護代を細川被官の香西元長が占め,山城は細川氏の領国と化す。しかも執事,守護在任中は父貞宗が存命で,実権は父が握っていた。晩年には故実の著作を多く残した。
(今谷明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報