伊川郷(読み)いかわごう

日本歴史地名大系 「伊川郷」の解説

伊川郷
いかわごう

現門司区伊川・柄杓田ひしやくだなどの一帯に比定される。文永九年(一二七二)一〇月九日の門司六ヶ郷惣田数注文写(甲宗神社文書/鎌倉遺文一五)によると、「伊川郷」内に安枝一二町三反・藤松九町二反・行安一町や時武・末永・弥徳・久富・富永・平山ひらやまひしやくだ友次などの名田が散在した。鎌倉期に下総氏(のちの門司氏)下向、のち当地には伊川系門司氏が土着した。永正一八年(一五二一)伊川系門司依親は大内義興より父宗房の譲状に任せて「規矩郡門司関伊川郷内本領分」などの継目安堵を受けている(同年九月一三日「大内義興袖判安堵状」門司文書/大日本史料九―一三)。天正一〇年(一五八二)二月二〇日伊川系門司重盛譲状(同文書/門司市史)では息女お福に対する譲与分として伊川郷三分一・居屋敷一〇町九段四五代ならびに山野河海、伊川郷内大野給一町の地が書上げられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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