伊庭御殿跡(読み)いばごてんあと

日本歴史地名大系 「伊庭御殿跡」の解説

伊庭御殿跡
いばごてんあと

[現在地名]能登川町能登川 能登川

徳川将軍家上洛の際の宿館用に置かれた茶屋の跡。建物は作事奉行小堀遠州の手になり、茶屋といいながら堀・土塁を設けた城郭風。跡地はJR能登川駅より一キロ南の伊庭山山麓。同機能の施設に甲賀郡水口みなくち(現水口町)野洲やす永原ながはら御殿(現野洲町)・坂田郡柏原かしわばら御殿(現山東町)があり、いずれも方形区画の建造物だが、伊庭茶屋は山麓地形に沿って建てられたことから長方形の屋敷取りとなっている。昭和六一年(一九八六)の発掘調査の結果、大工頭中井家の図面(中井家文書)遺構の地形景観・井戸・石垣などがほぼ一致し、瓦や土器も出土した。中井家の記録として「能登川町史」に引く規模は三二坪の御殿を含む坪数一二四坪余のほか、二八坪の次の間、七三坪の料理の間、二一坪の馬屋、六坪の追手番所、九坪の番所、二ヵ所の門などが記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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