伊敷村(読み)いしきむら

日本歴史地名大系 「伊敷村」の解説

伊敷村
いしきむら

鹿児島郡内の中世の村で、現鹿児島市の中央やや北部、甲突こうつき川左岸にあたる。地名は「三代実録」貞観二年(八六〇)三月二〇日条にみえる伊爾色神に由来するともいう(鹿児島県史)史料には上伊敷村とみえることも多く、早くから上下に分れていたとみられる。文保元年(一三一七)七月晦日の薩摩国御家人交名注文(旧記雑録)に鹿児島として「伊敷領主」がみえる。伊敷領主とは鹿児島郡司矢上一族である。なお伴姓肝付氏系譜(喜入肝付家文書)などによれば、鹿児島神食(上伊敷)に四町の館をもつ伴掾大監兼行がいたという。


伊敷村
いしきむら

[現在地名]糸満市伊敷いしき

東は真壁まかび村、北は高嶺たかんみ間切真栄里めーざとう村。イシチ村ともよぶ。絵図郷村帳島尻兼城しまじりかにぐすく間切「いしけ村」、琉球国高究帳に同「伊志気村」とあり、「琉球国由来記」には真壁まかび間切伊敷村とみえる。間切集成図や事々抜書には「石喜村」とある。前掲高究帳によると頭高一三一石余、うち田九四石余・畠三六石余。地頭代が伊敷親雲上を名乗る(前掲由来記)。前掲由来記によれば伊敷ノロの年中祭祀として伊敷巫火神で麦稲穂三日崇、イベノ前殿で麦稲四祭が行われた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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