糸満市(読み)いとまん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

糸満〔市〕
いとまん

沖縄県沖縄島南西端にある市。1961年糸満町と兼城村,高嶺村,三和村の 3村が合体し,1971年市制。市名は近世以来の村名による。北に急傾斜,南に緩傾斜するケスタ状の地形が発達し,集落は南傾斜地に立地。第2次世界大戦前,糸満漁民は小舟で行なう独特の「追い込み漁法」により,西太平洋から東南アジアまでの広い範囲に出漁,活躍した。その頃からの伝統で,旧暦の 5月4日には,豊漁と安全を海神に祈願する爬竜船競漕(ハーレー)が行なわれている。中心地区の旧糸満町は漁村から発展した町。農村部ではサトウキビ,花卉,野菜を栽培するが,近年は特に養豚が盛ん。南部一帯は第2次世界大戦最後の激戦地で,戦後 1946年には人口減少のため村を形成できなくなった真壁,摩文仁(まぶに),喜屋武(きゃん)の 3村が合併して三和村を発足した。戦跡が多く,摩文仁丘(まぶにがおか)には各都道府県の慰霊塔が林立する平和祈念公園があり,1995年に記念碑「平和の礎(いしじ)」が除幕された。市域の南半分は沖縄戦跡国定公園に属する。南東部に国の史跡具志川城跡がある。那覇市にいたる国道331号線が通る。面積 46.62km2。人口 5万8547(2015)。

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