伊福部岳(読み)いふくべのおか

日本歴史地名大系 「伊福部岳」の解説

伊福部岳
いふくべのおか

「常陸国風土記」逸文とされ採択される「塵袋」第八に出る山名。「塵袋」第八に「常陸国記ニ」として「昔、兄と妹が田植えをして、遅く植えたほうが伊福部神の災を被るべしといったが、妹が遅れ、雷鳴がして妹は蹴殺された。兄は嘆き恨んで仇を討とうとし、一羽の雌雉子が飛んできて肩の上に止まったのに麻糸をつけた。雉子は伊福部岳に上り、つけていくと神雷の臥す石屋に至った。斬ろうとすると、神雷は恐れて、一〇〇年後まで子孫に「雷震」の怖れなかろうといって助けを乞うたので許した。また雉子に感謝して、代々その徳を忘れず、違犯したら病になって生涯不幸になると誓ったので、その地の百姓は今日まで雉子を食べない」との話がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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