ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「伊良子光顕」の意味・わかりやすい解説
伊良子光顕
いらこみつあき
[没]寛政10(1798).9.19. 京都
江戸時代中期の蘭方系外科医。名は主膳,のちに光顕と改む。字は考伯,号は無荒堂。祖父の道牛が始めた伊良子派外科を継ぎ,明和6 (1769) 年『金創秘授外科訓蒙図彙』を著わした。これは A.パレの外科書の創傷編の訳書であるが,伊良子流はこれを実施したわけではなく,カスパル流外科の流れをくみ,漢方を加味したものであった。宝暦8 (58) 年,伏見の平戸島で解剖を行なったが,現在知られている解剖記録では,同4年の山脇東洋のそれに次ぐものである。
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