出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
長崎県北西部の島。平戸市に属し,北端の平戸市街地が臨む平戸瀬戸を隔てて,北松浦半島と相対する。南北約40km,東西約10km,面積165km2。島の北部は本土側の山地と同じ玄武岩の溶岩台地で,上床(うわどこ)(406m),川内(かわち)峠などの周辺は高位の台地,平戸市街地付近は標高50~100mの低位の台地である。中部は安山岩を基盤として,凝灰角レキ岩と溶岩の互層からなる平戸火山地域である。そして西岸には安満(やすまん)岳(514m),有僧都(うそうづ)岳(351m),屛風岳(394m)などが,東岸には慈眼(じげん)岳(372m),白岩岳(273m)などが連なる。これらの山は山頂部では比較的緩やかな傾斜をなすが,山腹では急傾斜となる。屛風岳の南東部では湧水が多く水田の灌漑用水としているので,大志々伎(おおしじき)の集落ではこの山を〈米の山〉とよび,北西部の集落早福(はいふく)では交通の障害となるので〈岳(だけ)の山〉とよび,また東方に位置する津吉地区では,季節風を遮るので屛風岳とよぶ。
東部と西部の山地の間に河谷が発達し,島を縦貫する国道383号線が走る。南部の志々伎(しじき)半島にある志々伎山(347m)は残丘で,浸食によって塔状にそそり立ち,その特徴ある山容は海上を航行する船舶の標識ともなっている。また南海岸には高さ40~150mの海食崖が発達する。これらのすぐれた自然景観によって1955年西海国立公園に指定された。平戸瀬戸を隔てた対岸の平戸市田平(たびら)町との間に瀬戸大橋がかかり,松浦鉄道線たびら平戸口駅から島内にバスが通じる。
執筆者:竹内 清文
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長崎県北西部の島。平戸市に属する。現在は平戸大橋によって本土とつながっており、国道383号が縦貫する。南北約40キロメートル、東西約10キロメートルのタツノオトシゴのような形をした細長い島。面積163.52平方キロメートル。地質や地形的には、北・中・南部に大きく3区分される。北部の旧城下町平戸付近では標高50~1100メートルの低位溶岩台地をなし、上床(うわとこ)(406メートル)、川内(かわち)峠、鞍掛(くらかけ)山、小富士山、白岳(しらだけ)(250メートル)の周辺は標高200メートル内外の高位溶岩台地をなし、山腹部では基盤をなす第三紀層との境界付近に地すべりを発生している。平戸島の中部には、豊肥火山活動期に噴出した凝灰角礫(かくれき)岩および溶岩の互層からなる平戸火山が東西2列に分布し、西側には安満岳(やすまんだけ)(514メートル)、都(みやこ)岳、屏風(びょうぶ)岳などがある。とくに屏風岳は、凝灰角礫岩の侵食によってのこぎり状の岩場をなし奇観を呈する。東側には慈眼(じげん)岳(372メートル)、白岩岳が南北に連なっている。平戸島の南部は、平戸火山の基盤をなす旧期の志々伎(しじき)安山岩の火山体が長期にわたる侵食によって丘陵性の火山地(浜岳など)となり、志々伎山(347メートル)はモナドノック(残丘)で、侵食によって研ぎ澄まされた尖峰(せんぽう)をなし、南麓(なんろく)は高さ40~150メートルの海食崖(がい)によって切断されている。人口2万2878(2000)。
[石井泰義]
〔世界遺産の登録〕2018年(平成30)、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)」として、平戸島の南西部が世界遺産の文化遺産に登録された(世界文化遺産)。
[編集部 2018年9月19日]
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