伝香寺(読み)でんこうじ

日本歴史地名大系 「伝香寺」の解説

伝香寺
でんこうじ

[現在地名]奈良市小川町

律宗。本尊釈迦如来。寺伝によると鑑真の弟子思託の創建。のち筒井順慶の母芳香宗英が順慶の菩提のため天正一三年(一五八五)に再建した。開山は泉奘。以来当寺は筒井氏の菩提寺となったという。筒井家では本尊を矢違千手観音と称している。江戸時代には肘塚かいのつか法華寺ほつけじ両村(現奈良市)のうちに寺領一〇〇石があった。「庁中漫録」所収の慶長七年(一六〇二)の徳川家康朱印状に「和州伝香寺之事、為寺中修造、僧徒居住於添上郡肘塚村法華寺村之内百石寄附之、弥専修理、勤修仏法、可抽天下祈祷精誠者也」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報