伸・熨(読み)のす

精選版 日本国語大辞典 「伸・熨」の意味・読み・例文・類語

の・す【伸・熨】

[1] 〘自サ五(四)〙
① のびていく。のびてひろがる。
地位が進む。身代がゆたかになる。勢力・規模などが発展する。
※巨海代抄(1586‐99)上「宗旨を立す可き人は堪忍精がなくては浅根劣器の者の未だのしたと云事無いぞ」
遠くまで行く。また、ある所からさらに遠くまで行く。
滑稽本浮世床(1813‐23)二「今日はまだ山の手へのさねへきゃアなりません」
[2] 〘他サ五(四)〙
しわやちぢみをのばして平らにする。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
※あさぢが露(13C後)「さばかりのしつれどもかみのたばいまだなほらず」
② 折れ曲がったものを真っ直ぐにのばす。また、たたまれたものを大きくひろげる。
日葡辞書(1603‐04)「セヲ nosu(ノス)〈略〉コシヲ nosu(ノス)
③ 勢力や規模などを発展させる。
受胎(1947)〈井上友一郎〉「しかし、折角、こっちのはうで、これだけのして来てるのに惜しいやらう」
④ なぐって倒す。また、気絶させる。
蟹工船(1929)〈小林多喜二〉一〇「のせ! のしちまへ!」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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