佐世郷(読み)させごう

日本歴史地名大系 「佐世郷」の解説

佐世郷
させごう

現大東町西端の下佐世しもさせ・上佐世一帯に比定される。古代の大原郡佐世郷を継承する。建長元年(一二四九)六月日の杵築大社造営所注進状(北島家文書)に佐世郷とみえ、宝治二年(一二四八)一〇月二七日の遷宮の翌日に行われた神事のうち流鏑馬および相撲を先例どおり勤めている。文永八年(一二七一)一一月日の杵築大社三月会相撲舞頭役結番帳(出雲国造系譜考)の一番に「佐世郷弐拾陸町六段 湯左衛門四郎」とあり、地頭の湯左衛門四郎は(現玉湯町)などを支配していた在地の武士であった。


佐世郷
させごう

和名抄」所載の郷。諸本とも訓を欠くが、サセであろう。「出雲国風土記」によれば大原郡八郷の一つで、郡家の東九里余に郷長の家があり、地名は須佐能袁命が佐世の木の葉をかざして踊ったときに木の葉が落ちたことに由来するという。風土記には佐世小川・佐世社が記され、うち同社は「延喜式」神名帳に佐世神社とみえ、現大東だいとう町下佐世の同名社とされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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