何れか(読み)イズレカ

デジタル大辞泉 「何れか」の意味・読み・例文・類語

いずれ‐か〔いづれ‐〕【何れか】

[連語]
(打消しの述語で応じ、反語の意で結ぶことが多い)多くある中で、どれが…か。どちらが…か。
「生きとし生けるもの、―歌を詠まざりける」〈古今仮名序
どれもこれも。どちらも。
「―愚かなるはひとりもなし」〈浮・織留・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「何れか」の意味・読み・例文・類語

いずれ【何れ】 か

  1. 二者(あるいはそれ以上)のうち、どれが選ばれるかという疑問や反語を表わす。どれが…か。どちらが…か。
    1. (イ) 疑問を表わす。
      1. [初出の実例]「帰るべき方も覚えず涙河いづれか渡る浅瀬なるらん」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)恋四・八八八)
    2. (ロ) 反語を表わす。
      1. [初出の実例]「生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
  2. ( 誤用から ) どれもこれも。どちらも。
    1. [初出の実例]「げに漁(いさ)りの海人小舟(あまをぶね)藻塩の煙松の風、いづれか淋しからずといふことなき」(出典謡曲忠度(1430頃))

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