海人小舟(読み)アマオブネ

デジタル大辞泉 「海人小舟」の意味・読み・例文・類語

あま‐おぶね〔‐をぶね〕【海人小舟/×蜑小舟】

[名]
海人の乗る小舟
白波八重折るがうへに―はららに浮きて」〈・四三六〇〉
アマオブネガイ別名
[枕]船が停泊することを「つ」というところから、「はつ」にかかる。
「―泊瀬はつせの山に降る雪の」〈・二三四七〉

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精選版 日本国語大辞典 「海人小舟」の意味・読み・例文・類語

あま‐おぶね‥をぶね【海人小舟】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 漁夫の乗る小舟。
      1. [初出の実例]「浜に出でて 海原見れば 白波の 八重折るが上に 安麻乎夫禰(アマヲブネ) はららに浮きて」(出典万葉集(8C後)二〇・四三六〇)
    2. あまおぶねがい(海人小舟貝)〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
  2. [ 2 ]
    1. 船が停泊することを「泊(は)つ」というところから、同音の「はつ」にかかる。
      1. [初出の実例]「海小船泊瀬(はつせ)の山にふる雪の日(け)長く恋ひし君が音そする」(出典:万葉集(8C後)一〇・二三四七)
    2. 船に「乗り」というところから、「法(のり)」にかかる。
      1. [初出の実例]「うきよをし渡すと聞けばあま小船のりに心をかけぬ日ぞなき〈懐尋〉」(出典:金葉和歌集(1124‐27)雑下・六三一)

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