改訂新版 世界大百科事典 「作期」の意味・わかりやすい解説
作期 (さくき)
cropping season
農作物の栽培時期のことで作季とも書く。個々の農作物には季節の移り変りに対応して,それぞれの生育に適した作期がある。温帯地域での典型的な例をあげると,春先に播種(はしゆ)して秋に収穫する夏作物(イネ,トウモロコシ,サツマイモなど),秋に播種して春に収穫する冬作物(ムギ類,ナタネなど)といった作期の異なる農作物を組み合わせて栽培するのがふつうである。また同一種の農作物であっても,栽培される土地の気象条件や他作物との組合せの関係から,作期が異なってくる場合も多い。イネについてみると,一般に行われている普通期の栽培に対して,作期の早まる早期栽培,作期のおくれる晩期栽培など,各種の栽培法が確立している。野菜の周年供給を目的とする園芸の分野では,作期の異なる野菜栽培を作型と呼び,それぞれの作型に対応して,特定の品種が選択され,固有の栽培法が成立している。
執筆者:山崎 耕宇
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報