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園芸 えんげい horticulture; gardening

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

園芸
えんげい
horticulture; gardening

園圃または温室などで植物を栽培することで,商業的園芸と家庭園芸とに大別される。前者は園芸農業として,野菜,果樹,花卉,花木,緑化樹木を含み,近代的経営と栽培技術が要求され,農産物で大きな割合を占めるようになった。

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デジタル大辞泉の解説

えん‐げい〔ヱン‐〕【園芸】

果樹・野菜・花卉(かき)などを植え育てること。また、その技術。

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世界大百科事典 第2版の解説

えんげい【園芸】

果樹,野菜,観賞用植物などを資本と労力をかけて集約的に栽培することで,対象とする作物の種類によって,果樹園芸野菜園芸,花卉(かき)園芸に分類される。また,生産物の販売を目的とする園芸を生産園芸,趣味として行う園芸を趣味園芸,または家庭園芸という。園芸という言葉は英語のhorticultureの訳語で,日本では1873年に出版された英和辞書で用いられたのが初めである。horticultureとはラテン語のhortus(囲うこと,または囲まれた土地の意)とcultura(栽培の意)に由来し,17世紀以降使われるようになった言葉である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

園芸
えんげい

農業の一部門で、園や畑または温室、フレームなどで、生活に必要な果樹、蔬菜(そさい)、花卉(かき)など栽培植物を生産、改良、加工し、さらには装飾の用などにも供するものである。広義にはこれらを総合したものとしての造園(庭づくり、都市づくり)が含まれる。
 園芸に関する中国の農書としては『神農本草経集注(しんのうほんぞうきょうしっちゅう)』(502~556)、『新修本草』(659)、『農桑輯要(のうそうしゅうよう)』(1286)、『群芳譜(ぐんほうふ)』(1621)、『農政全書』(1639)、『秘伝花鏡(かきょう)』(1688)などがあり、園芸の源流と思われる字句がみられるのは『群芳譜』(灌園(かんえん)、芸蔬)や『秘伝花鏡』(鋤園(じょえん)、芸圃(げいほ))である。しかし、成語として園芸という語が使われたのは『英華辞典』(1866)が最初と思われる。これは1884年(明治17)に邦訳されている。日本の古い園芸書として著名なのは『花壇綱目』(1665)、『花壇地錦抄(ちきんしょう)』(1695)などであり、江戸時代初期から園芸が盛んであったことがうかがわれる。そのころには樹芸ということばが使われていた。園は垣で囲まれた土地を、芸は栽培・耕うんを意味する。英語ではhorticultureといい、園はラテン語のホルトスhortusが、芸はクルトラcultraが語源である。庭園的な意味ではガーデニングgardeningであるが、これも語源としては囲む意味のギルドgirdから出ている。[川上幸男]

分類

園芸学は園芸の理論と技術を学ぶ農学の一分科ということができる。園芸学の一般的分類は次のようになる。[川上幸男]
果樹園芸
果実の生産、利用を目的とし、主として対象となる木本植物の栽培、品種改良を行う。[川上幸男]
蔬菜園芸
いわゆる野菜であるが、大別して葉を目的とする葉菜、根を目的とする根菜、果実を目的とする果菜に分けられる。これらの主として有用草本植物の栽培、品種改良、利用を行う。[川上幸男]
花卉園芸
観賞用の草花および花木の栽培、品種改良、利用を行う。広い意味では盆栽、花卉装飾をも包含する。[川上幸男]
加工園芸
農産製造工業の一部門であり、農芸化学の一分野でもある。ジャム、マーマレード、ケチャップなど園芸生産品の加工を行うのが主目的である。[川上幸男]
造園
園芸の分野だけでは掌握しきれない面があるが、狭義には園芸の一分野といえる。いわゆるガーデニングのことで、園をつくることが目的であるが、近来はランドスケープ・アーキテクチュアlandscape architectureといわれていて、直訳すれば「風景を建築する」ということになり、建築、土木などのほかの科学分野とのかかわりが深く、都市づくり、環境づくりなどの重要な役割をもっている。
 以上は学問的分類である。次に栽培形態からみてみよう。[川上幸男]
生産園芸
営利栽培ともいう。園芸を職業としている人たちが、高度の品質、多収穫、耐病性の優秀品種を選んで能率生産を目的とするもの。消費者に果実、蔬菜、果樹などの食品、花卉、花木、観賞用樹木、観葉植物、地被植物などの装飾品や実用品を、市場を通じて供給する。[川上幸男]
趣味園芸
家庭園芸がこれで、果樹、蔬菜、花卉や造園を通じて特色ある品種を多角的に集めて栽培し、観賞をおもな目的とする。園芸の発達はこの趣味園芸が大きく力になっていたといえる。とくに江戸時代における武士や町人の趣味園芸が今日のわが国特有の花卉をつくったといっても過言ではない。それらはアサガオ、イワヒバ、ウメ、オモト、カエデ(モミジ)、カンアオイ、キク、サツキ、セキショウ、ツツジ、ツバキ、東洋ラン、ナデシコ、ナンテン、ニホンサクラソウ、ハナショウブ、ハラン、フクジュソウ、フジ、ボケ、ボタン、ユキワリソウなどである。
 さらに施設などを使う意味合いでの見方として次のようなものがある。[川上幸男]
温室園芸
主として熱帯・亜熱帯植物の果樹、蔬菜、花卉を暖室を含めた温室(ガラス、「ファイロン」、ビニル)で栽培するもの。栽培の形態は地植え、床植え、鉢植えなどがある。[川上幸男]
鉢物園芸
果樹、蔬菜、花卉、造園用樹木、地被植物などを鉢または鉢に準ずる容器で栽培利用する分野。温室、暖室、圃場(ほじょう)の営利分野から趣味園芸の領域に至る広い範囲で栽培される。栽培鉢、装飾鉢の進歩改善、用土の改善から水耕・礫耕(れきこう)材料などの開発も急速に進められている。[川上幸男]
盆栽
鉢物園芸とは違った意味での特殊な分野で、長い年月を一定の鉢の中で栽培し、独特の美的効果を表すもの。日本や中国での発達が著しいが、近年は欧米各国における栽培熱の向上が目だつ。[川上幸男]
組織培養
今日では遺伝子工学の進歩発達による組織培養の分野も、専門の営利、生産の範囲のみならず趣味園芸、一般園芸への浸透が活発に行われている。[川上幸男]
『浅山英一著『原色図譜園芸植物・露地編』(1980・平凡社) ▽浅山英一著『原色図譜園芸植物・温室編』(1980・平凡社) ▽鶴島久男著『花卉園芸ハンドブック』(1983・養賢堂)』

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世界大百科事典内の園芸の言及

【花】より

…真に〈日本的なるもの〉が創造されるためには,中世を迎え,新興庶民階級が歴史のひのき舞台に駆けあがるのを待たねばならなかった。 〈花の見かた〉に即して考えるのに,中世農民たちは自力で灌漑技術の改良や荒蕪地(こうぶち)開墾を押し進めていくあいだ,草木の形状や生態に注意を向けるようになり,ついには花の園芸品種を開発するまでになった。その代表例がサトザクラの開発であった。…

【文化文政時代】より

…それは通常の歌舞音曲にとどまるものではなかった。むしろ朝顔に代表される園芸が,この場合いい例となる。江戸市中にみられた朝顔栽培の流行は,珍奇な花を咲かせて競いあうものであったが,それには最低限の育種学的な知識を必要としていたはずであり,江戸の長屋の住民は,今日なら科学や学問の範囲に入るようなことまで,遊芸の範囲に取り込んでしまっていたのである。…

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