精選版 日本国語大辞典 「侘び助」の意味・読み・例文・類語
わび‐すけ【侘助・詫助】
- 〘 名詞 〙
- ① ツバキの品種。一重の小さな花が咲く。花弁は長さ約二センチメートルで四~五個半開する。花色は赤、紅白の絞り、白などがある。わびすけつばき。日本で古くから茶花とされてきたが、自生はなく、来歴も不詳。《 季語・冬 》
- [初出の実例]「佗助(ワビスケ) 赤ひとへ、小りん也。つつに咲こまか成白ほしさらさ有。一名こてう」(出典:花壇地錦抄(1695)二)
- ② 隠棲して閑寂な境地を楽しんでいる侘人を、人名のように呼んだ語。
- [初出の実例]「手づから鑵子をならし、茶袋を洗ふ。麁茶淡飯の楽は、いかなる侘助にや」(出典:俳諧・田舎の句合(1680)二一番)
- ③ ( 詫助 ) 人にわびなければならないことなどのある人を、人名のように呼んだ語。
- [初出の実例]「ほんに是迄親達へ孝行さへも白玉の身の詫(ワビ)すけは冥土でと」(出典:歌舞伎・三人吉三廓初買(1860)大切)