依稀(読み)イキ

デジタル大辞泉 「依稀」の意味・読み・例文・類語

い‐き【依×稀】

[ト・タル][文][形動タリ]明らかでないさま。ほのかなさま。かすかなさま。
「―たる活気帯ぶ」〈漱石虞美人草

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精選版 日本国語大辞典 「依稀」の意味・読み・例文・類語

い‐き【依稀】

〘名〙 (形動タリ)
① はっきりしない様子。かすかなさま。ほのかなさま。
※新撰朗詠(12C前)下・懐旧「笙歌縹眇たり虚空裏。風月依稀たり夢想間〈白居易〉」
※虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一「依稀(イキ)たる活気を帯ぶ」 〔劉禹錫‐荊門道懐古詩〕
② よく似た様子。そっくりなさま。
※本朝文粋(1060頃)一・菟裘賦〈兼明親王〉「唐風雖移、猶依於旧
※諺草(1699)一「依稀(イキ)。俗に人の面影の能似たるを、いきじゃといふは則此字なり」 〔趙蝦‐江楼書感詩〕

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普及版 字通 「依稀」の読み・字形・画数・意味

【依稀】いき

さながら。彷彿。依。梁・江淹〔赤虹の賦〕俄かにして赤(せきげい)電出し、~依稀として常ならず。

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