保栄茂村(読み)びんむら

日本歴史地名大系 「保栄茂村」の解説

保栄茂村
びんむら

[現在地名]豊見城保栄茂びん

豊見城とうみぐすく間切の南部に位置し、西は翁長うなが村、東は兼城かにぐすく間切の武富だきどうん村・波平はんじや(現糸満市)翁長村と併称してビン・ウナガという。「おもろさうし」巻八の五に「一 おもろねやかり(おもろ音挙がりは)/せるむねやかりや(せるむ音挙がりは)/おかう おかて(お顔を拝見して)/よむいきのかす(たくさんの世神酒)/又 ほゑむいちへきあちの(保栄茂の優れた按司が)/ほへむちやくにあちの(保栄茂の大国按司が)」とみえる。「おもろねやかり」はオモロを謡い歩いた歌唱者と考えられている。保栄茂の按司を拝見して讃え、多くの世神酒を出す豊かな所であることを祝っている。巻八の一七には「ほへむ世のぬしや 米すとの かゆい(保栄茂世の主は 米須殿に通い)」とあり、有力な領主がいたらしい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android