信立寺(読み)しんりゆうじ

日本歴史地名大系 「信立寺」の解説

信立寺
しんりゆうじ

[現在地名]甲府市若松町

遊亀ゆうき通の東側にある。大永二年(一五二二)武田信虎により甲府穴山あなやま小路に創建された日蓮宗寺院。広教山と号し、本尊は十界曼荼羅。身延山久遠くおん寺の他屋として機能した。病悩の信虎がかつて八代郡夏目原なつめばら(現御坂町)の泉より発見された釈迦像に祈願したところ、病気が平癒したため、身延山一三世日伝を開祖に迎えて一寺を建立し、この霊像を安置したのが始まりという(寺記)。像は日蓮が開眼し、遠藤掃部助茂氏が相伝していたものといわれる(甲斐国志)。信虎から真立しんりゆう寺にあてられた掃部介法事料として白米一駄・施物三貫文を寄進するという年未詳二月一二日の判物写(「古文書類集」若尾資料)がある。


信立寺
しんりゆうじ

[現在地名]狭山市上広瀬

上広瀬かみひろせの南部にある。惺按山と号し、日蓮宗。本尊は一塔両尊四天王像、また日蓮像を安置する。池上本門寺の旧末寺。天正七年(一五七九)当地の領主加治左馬助丹治家信の発願によって本門寺一二世日惺が開山したと伝える。しかし日惺が本門寺の隠居所として当寺を建立したとされていることを考え合せれば、創立年代はもう少し下るとも推定され、天正一八年頃とする説もある。寺号・山号は開基家信と開山日惺にちなんだものという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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