信重遺跡(読み)のぶしげいせき

日本歴史地名大系 「信重遺跡」の解説

信重遺跡
のぶしげいせき

[現在地名]香々地町上香々地 信重

扇状地状に開く海岸平野の最上流部に位置し、眼下竹田たけだ川両岸には条里地割がみられる。縄文・古代・中世遺構・遺物が検出されたが、注目されるのは八世紀末から九世紀中葉に位置づけられるものである。遺構は掘立柱建物七棟のほか鍛冶炉およびその関連遺構、土器埋納遺構、不定形土壙などである。建物の主軸はほぼ南北あるいは東西に近く、その配置は一部でコの字状を呈する。鍛冶炉は三号建物のほぼ中央で二基が重複して検出された。炉はいずれも上部構造の大部分が削平され、基底部が皿状に残存したもので、長径二〇センチ、短径一五センチの楕円形をなす。炉の周囲には金床石抜き跡や廃棄土壙があり、廃棄土壙からは椀形滓をはじめとする鉄滓のほか鍛造剥片や粒状滓などが多数出土した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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