個体群生態学(読み)コタイグンセイタイガク(その他表記)population ecology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「個体群生態学」の意味・わかりやすい解説

個体群生態学
こたいぐんせいたいがく
population ecology

個体群は同一生物種から成る一つのまとまりと定義されるから,個体群生態学もそうした集団に関しての生態学をいい,特に個体数の変動についての研究をさすことが多い。2種以上の種が個体数の変動に関して関連し合う場合,たとえば食う・食われるの関係にある場合などは,複数の種をあわせて扱っても,個体群生態学といっている。他方,個体群内での質的な個体間関係,たとえば行動学的な相互作用とか,群れの構造とかは,習慣的に,個体群生態学の範囲内にはない。

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世界大百科事典(旧版)内の個体群生態学の言及

【個体群】より

…これによると,繁殖つがい数が多い年には一雌当りの一腹卵数が減少し,逆に繁殖つがい数の少ない年では一雌当りの一腹卵数が増加することがよくわかる。 個体群の動態をあつかう個体群生態学は近年いちじるしい発展をみせている学問分野で,害虫防除や生物資源管理などの面において重要な役割を果たしつつある。【宮下 和喜】。…

【生態学】より

…なお,この湖沼学などから,有機物生産を指標として,生物の生態を明らかにしようとする生産生態学も1950年ころから生じたが,これは生態系の研究とはまったく別のアプローチである。
[個体群生態学の発展]
 エルトンの(1)の側面は,これも19世紀からすでに存在していた人口学,害虫学,水産学での個体数の研究に引き継がれることになったが,その発展は1920年代に始まり,群集の研究とはまったく別個に進んだ。そこでは,害虫の抑圧または有用魚の増殖という課題からして,初めから個々の種の個体数が対象であった。…

※「個体群生態学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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