健康被害（読み）ケンコウヒガイ（その他表記）pollution related health damage

デジタル大辞泉

けんこう‐ひがい〔ケンカウ‐〕【健康被害】

ある物事が原因で健康が損なわれること。「騒音により健康被害が生じる」

出典　小学館

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

健康被害
けんこうひがい
pollution related health damage

汚染物質や放射能に汚染された大気や土壌，河川，湖沼，海などの産物を呼吸あるいは経口的に体内に取入れたり，これに曝露されることにより健康状態が悪化すること。ほかに騒音，振動，熱，光などの物理的影響が，心理的，肉体的に健康を悪化させることがある。水俣病など死者を伴う重大な健康被害が発生するようになって社会的な大問題となった。健康と公害との関係を世界保健機関 WHOは，大気汚染について，(1) 直接的にも間接的にも影響が観察されない濃度と曝露時間の積，(2) 感覚器への刺激，草木への影響，視程障害の現象など環境への悪影響が起りそうな濃度と曝露時間の積，(3) 重要な生理機能の阻害，慢性疾患など諸変化が起りそうな濃度と曝露時間の積，(4) 集団に急性疾患また死の発生しそうな濃度と曝露時間の積，の4段階に分けている。公害による健康被害は，性，年齢，接触年数，健康状態によって被害の状態が異なり，弱者ほど影響が大きく，回復が困難である。公害健康被害補償法で認める疾病者には，救済の道が開かれている。

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