偶奇性(読み)グウキセイ

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化学辞典 第2版 「偶奇性」の解説

偶奇性
グウキセイ
parity

パリティともいう.一般に,n個の粒子からなるある体系の波動関数は,これらの粒子(i = 1,2,…,n)の位置座標と時間t関数でΨ(x1,y1,z1,x2,y2,z2,…,xn,yn,znt)と書ける.いま,これらのすべての位置座標をその原点に関する反転座標にかえたとき,Ψの値がもとの関数の値に等しく,

Ψ(- x1,- y1,- z1,…,- xn,- yn,- znt)

= Ψ(x1,y1,z1,…,xn,yn,znt)

であるとき,この状態の偶奇性は偶(even)であるという.一方,

Ψ(- x1,- y1,- z1,…,- xn,- yn,- znt)

= -Ψ(x1,y1,z1,…,xn,yn,znt)

となり符号がかわるとき,この状態の偶奇性は奇(odd)であるという.系のエネルギーを表すハミルトニアンは,座標の反転に対し不変だから,波動関数が上記のようないずれかの偶奇性をもつことになる.偶奇性は量子状態の重要な性質の一つとなるものである.一例として1個の粒子の一次元の調和振動固有値は,

で与えられるが,その固有関数の形を見ることによって

λ = 偶数の状態の偶奇性は偶,
λ = 奇数の状態の偶奇性は奇,
であることがわかる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「偶奇性」の意味・わかりやすい解説

偶奇性 (ぐうきせい)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「偶奇性」の意味・わかりやすい解説

偶奇性
ぐうきせい

「パリティ」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の偶奇性の言及

【パリティ】より

…理工学の分野では一般に+と-の二つの値をとる量を指し,偶奇性とも呼ばれる。例えばディジタル通信では,“0”と“1”の組合せで信号が送られるが,ひとくぎりの信号の中の“1”の数が偶数か奇数かによって,パリティを+または-と定義する。…

※「偶奇性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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