日本歴史地名大系 「備中国御絵図」の解説
備中国御絵図(天和―元禄初期の備中国絵図)
びつちゆうのくにおんえず
二三〇×一六〇センチ
原図 池田家文庫
解説 肉筆彩色画。袋書に「領知入組之図」と注記がある。年紀はないが、図示された松山藩主水谷出羽守の在封年代などから、元禄初期に作製された備中一国の領有状況の一覧図と考えられる。村名は正保郷帳に基づき本村を小判形、枝村を短冊形で示し、本村に村名および領主名とその記号を記入、枝村には名称の上に本村の領主記号と同じ記号を付している。岡山藩領は白地、他は水色に塗分ける。郡区分は平地部分の色分けで示す。村高・郡高など石高はいっさい記していない。岡山藩領の村は蔵入地は無印、知行地の村に記号が付されているようであるが、各記号が特定の給人を意味するものかどうかは不明。領主の居城・陣屋、古城を記す。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報