備前荒屋敷村(読み)びぜんあらやしきむら

日本歴史地名大系 「備前荒屋敷村」の解説

備前荒屋敷村
びぜんあらやしきむら

[現在地名]櫛引町桂荒俣かつらあらまた

下桂俣しもかつらまた村の東、あか川の左岸に位置し、北は藤掛ふじかかり村。備前新屋敷とも記した。たてまえという小字があり、藤掛館の跡とされる。伝承によれば、当村は江戸時代前半に洪水耕地を失った備前村の七、八戸によって開かれたといわれる(櫛引町史)。当村の元禄一二年(一六九九)の庄内領郷村帳(酒井家文書)の村高八四石余は備前村の正保郷帳と比べた前掲庄内領郷村帳の村高減少分と等しく、その川欠分の代替地に開発された村とみられる。寛文五年(一六六五)の庄内高帳(鶴岡市郷土資料館蔵)に「高四〇三石余 備前村・荒屋敷村 肝煎掃部」とみえる。安永三年(一七七四)の公領田圃録(八幡文書)によれば高八六石余、毛付四ツ一分四毛、家数一一・人数五七、馬七、用水赤川を利用した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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