催色(読み)サイショク

日本大百科全書(ニッポニカ) 「催色」の意味・わかりやすい解説

催色
さいしょく

人工的に代謝を変調させて、果物の色の発現を促進すること。レモンや温州(うんしゅう)ミカン、バナナなどの発色に応用される。柑橘(かんきつ)類の果実は、未熟のうちから緑色クロロフィルとレモン黄色のキサントフィルとを含み、緑色を消せば、可視的には黄色になる。果皮に緑色が残っていても、一定規格(果径約5.5センチメートル)になれば収穫するレモンや、味は熟しても果皮に緑の残る暖地早生(わせ)温州ミカンなどの果皮の緑色を消すために行う。その方法は、エチレンガス燻蒸(くんじょう)法(ガス濃度10ppm、22℃、24~36時間くらい)、カーバイド法(アセチレンガスの作用による)が一般的である。

[飯塚宗夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

《料理されるためにまないたにのせられた魚の意から》相手のなすに任せるより方法のない運命のたとえ。まないたの鯉こい。[類語]俎板まないたの鯉こい・薬缶やかんで茹ゆでた蛸たこのよう・手も足も出ない...

俎上の魚の用語解説を読む