温州(読み)オンシュウ

デジタル大辞泉 「温州」の意味・読み・例文・類語

おんしゅう〔ヲンシウ〕【温州】

中国浙江せっこう省南東部の港湾都市甌江おうこう河口にあり、木材・茶・柑橘かんきつ類の集散地。ウエンチョウ。うんしゅう。

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精選版 日本国語大辞典 「温州」の意味・読み・例文・類語

うん‐しゅう‥シウ【温州】

  1. 〘 名詞 〙うんしゅうみかん(温州蜜柑)」の略。
    1. [初出の実例]「蜜柑も二つ買って来たが、雲州(ウンシウ)のいいのだからむいて上げやう」(出典:真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉九)

うじゅ【温州】

  1. 〘 名詞 〙うじゅきつ(温州橘)」の略。
    1. [初出の実例]「Vju(ウジュ)〈訳〉みかんの一種」(出典:日葡辞書(1603‐04))

おん‐しゅうヲンシウ【温州】

  1. 中国、浙江省南部の都市。甌江(おうこう)の下流に位置し、茶、柑橘類の集散地として知られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「温州」の意味・わかりやすい解説

温州
おんしゅう / ウェンチョウ

中国、浙江(せっこう)省南東部の地級市。東シナ海に面する温州湾の奥、甌江(おうこう)の河口に位置する。人口813万7000(2014)。4市轄区、5県を管轄し、2県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。漢代の初めは東甌(とうおう)国の地で、のちに永嘉(えいか)郡とよばれ、後漢(ごかん)には永寧(えいねい)県が置かれ、隋(ずい)代に永嘉と改名された。唐代には温州の、宋(そう)代は瑞安(ずいあん)府の、明(みん)・清(しん)代は温州府の治所であった。1949年永嘉県から分離して温州市が設置された。

 1876年芝罘(チーフ)条約により開港されたが、それ以前にも浙江産の茶の独占輸出港として一時繁栄した。いまは沿岸航路汽船の起点であるが、民船はさらに甌江をさかのぼり、北西約100キロメートルの麗水(れいすい)市まで達している。浙江省南東部における木材、茶、アサ、柑橘(かんきつ)類、ブタなどの集散地となっている。

 手工業が発達し、「甌塑(おうそ)」「甌綉(おうしゅう)」の名の磁器と織布が有名である。改革開放以降、同市の靴、アパレル産業が勃興し、民営企業が著しい発展を遂げた。1984年には沿海対外開放14都市の一つに指定されている。温福線(温州―福州(ふくしゅう))の起点、甬台温(ようだいおん)線(寧波(ニンポー)―台州(だいしゅう)―温州)、金温線(金華(きんか)―温州)、金麗温線(金華―麗水―温州)の終点。なお金温線は、中国本土と香港(ホンコン)の共同出資で建設された国内初の鉄道である。温州湾岸には温州竜湾国際空港がある。北雁蕩山(ほくがんとうさん)、江心嶼(こうしんしょ)など、名勝・奇勝が多い。

[林 和生・編集部 2017年4月18日]

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改訂新版 世界大百科事典 「温州」の意味・わかりやすい解説

温州 (おんしゅう)
Wēn zhōu

中国,浙江省南東部にある市。人口192万(2000)。省直轄市で,海岸より甌江(おうこう)を20km余さかのぼった南岸にある港湾都市。付近の農産の集積地で,海路で上海・広州などと結ばれるほか,機械工業,工芸生産の基地でもある。ミカン,水牛,生糸,塑像,木彫などが特産品として有名。後漢の時,永寧県が置かれ,その後永嘉と改められ,晋の永嘉郡,唐の温州の治所として中国東南海岸で有数の都市であった。1876年(光緒2)の芝罘(チーフー)条約で開港されたが,位置的地形的条件から近代都市としての発達は遅れた。南宋末,宋王室がこの付近へ避難したところから,文天祥祠,江心寺など,関係する遺跡がある。
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百科事典マイペディア 「温州」の意味・わかりやすい解説

温州【おんしゅう】

中国,浙江省南部の港湾都市。旧名永嘉。甌江(おうこう)流域の物産を集散する。商工業が発達し,皮革製品,木彫などの手工芸品を産し,茶,ミカン類,木材などを輸出する。市街は古くから清潔なことで有名。150万人(2014)。
→関連項目市舶司

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動植物名よみかた辞典 普及版 「温州」の解説

温州 (ウンシュウ)

植物。ミカン科の常緑低木,園芸植物,薬用植物。ウンシュウミカンの別称

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