傾斜管圧力計(読み)けいしゃかんあつりょくけい(その他表記)inclined-tube monometer

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「傾斜管圧力計」の意味・わかりやすい解説

傾斜管圧力計
けいしゃかんあつりょくけい
inclined-tube monometer

微圧計の一種で,傾斜微圧計ともいう。U字管型圧力計の片側断面積の大きな管とし,他方の管は水平に近く傾斜させ,液面高さの差を傾斜に沿って読めるようにしてある。このときの傾斜は 1/5~1/10 程度である。両方の断面積をそれぞれ A および a とし,傾斜管の水平に対する傾きをαとすると,拡大率は (sinα+a/A)-1 である。普通表面積の大きな液だまりを用いて,傾斜管の液面の移動だけを測定して圧力差を求めることが多い。そのときの拡大率は 1/sin αである。

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化学辞典 第2版 「傾斜管圧力計」の解説

傾斜管圧力計
ケイシャカンアツリョクケイ
inclined tube manometer

液柱の高さから圧力を測定する方法の一つ.U字管圧力計一方の脚を細管にし,一方は断面積の大きな容器としたもの.差圧を測定するために,液柱の長さを拡大する目的で細管を傾斜させ,圧力の差を細管中の液柱の長さの差で読むように工夫した圧力計である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の傾斜管圧力計の言及

【微圧計】より

…液柱差型は,微小差圧の測定用に液柱型圧力計を変形させたもので,微小な液面の動きを拡大,指示してその変位を直接測定するものと,液面の一方を元の位置に戻す操作を行う零位法に基づいて液面差を精密に測定するものとがある。前者には,傾斜した液柱により液面の変位を拡大する傾斜管圧力計,密度差の小さい2種の液体を用いる二液マノメーター,垂直方向の液面の変位を水平管内の気泡の変位で読むロバーツ圧力計などがあり,後者には中央でわずかに曲がった曲管を傾けて液面の一方を元に戻す圧力水準器,液槽の一方をマイクロメーターで微小変位させて他方を零位置に戻すミニメーター型ゲージ,計器全体を傾斜させて管端における2液の境界面の形状,または一方の液面を零位にするチャトックゲージ,またはレーリーゲージ,ドラムを液槽内の液面に沈めて傾斜管内の液面を零位に保つ排水型ゲージなどがある。現在では,これらの型式の微圧計が実際に用いられることは少ない。…

※「傾斜管圧力計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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