元箱根石仏群(読み)もとはこねせきぶつぐん

国指定史跡ガイド 「元箱根石仏群」の解説

もとはこねせきぶつぐん【元箱根石仏群】


神奈川県足柄下郡箱根町元箱根にある石仏群。指定名称は「元箱根石仏群 附永仁三年在銘石造五輪塔(つけたりえいにんさんねんざいめいせきぞうごりんとう) 石造五輪塔(せきぞうごりんとう) 永仁四年在銘石造宝篋印塔(えいにんよねんざいめいせきぞうほうきょういんとう)」。芦之湯から元箱根方面へ、ほぼ南北に走る国道1号に沿って約300mの範囲に点在し、1941年(昭和16)に在銘の石造五輪塔や宝篋印塔(ほうきょういんとう)など3基とともに国の史跡に指定された。ここは東海道の箱根越えの難所で、急坂と箱根の火山岩落石に苦しみ、命を落とす者もあったことから、地蔵信仰の高まりとともに多くの石仏・石塔が造られていった。石仏・石塔群は、鎌倉時代までさかのぼることができ、時代も特定され、摩滅などが進んでいないものが多く貴重であることから、1988年(昭和63)から1992年(平成4)に調査が行われ、その後に整備された。石仏群は、高さ3m磨崖仏(まがいぶつ)六道地蔵をはじめ、巨大な岩に24体の地蔵菩薩阿弥陀如来、童子形の石仏各1体ずつ計26体が彫られた二十五菩薩像などがたたずみ、これらの石仏を縫うように芦之湯まで芦之湯史跡探勝歩道が設けられている。箱根登山鉄道箱根湯本駅から箱根登山鉄道バス「六道地蔵」下車、徒歩すぐ。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報