兄磯城(読み)エシキ

デジタル大辞泉 「兄磯城」の意味・読み・例文・類語

えしき【兄磯城/兄師木】

大和国磯城の豪族弟磯城おとしきの兄。神武東征の際、召しに応じないで殺されたと伝えられる。

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精選版 日本国語大辞典 「兄磯城」の意味・読み・例文・類語

え‐しき【兄磯城・兄師木】

  1. 記紀所伝で、上代大和国磐余(いわれ)に住んだとされる豪族。弟磯城(おとしき)の兄。神武天皇東征の時、八十梟師(やそたける)を集め反抗したが、敗死したといわれる。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「兄磯城」の解説

兄磯城 えしき

記・紀にみえる豪族。
大和(奈良県)の磯城地方を支配。神武(じんむ)天皇の大和進攻のさい,弟の弟磯城(おとしき)が帰順するなか,たたかって殺された。「古事記」では兄師木。

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世界大百科事典(旧版)内の兄磯城の言及

【磯城】より

…師木,志貴などにもつくる。《日本書紀》神武即位前紀には磯城邑(しきむら)がみえ,兄磯城(えしき),弟磯城(おとしき)という有力豪族がおり,後に弟磯城が磯城県主となったとある。磯城県は4~5世紀ころの成立とみられるが,その地域が中心となって奈良時代の城上(しきのかみ)郡,城下(しきのしも)郡ができる。…

【神武天皇】より

…神武の軍は南に迂回して熊野に入ったところを化熊に蠱惑(こわく)されるが,天津神の助力によって危地を脱し,天津神の派遣した八咫烏(やたがらす)の先導で熊野・吉野の山中を踏み越えて大和の宇陀に出る。ここで兄猾(えうかし),弟猾(おとうかし)を従わせ,以後,忍坂(おさか)の土雲八十建(つちぐもやそたける),長髄彦,兄磯城(えしき),弟磯城(おとしき)らの土着勢力を各地に破り,大和平定を成就する。さらに別に天下っていた饒速日(にぎはやひ)命も帰順して,神武は畝傍(うねび)の橿原(かしはら)を都と定め天下を統治するに至った。…

※「兄磯城」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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