充満式温度計(読み)じゅうまんしきおんどけい(その他表記)filled-system thermometer

日本大百科全書(ニッポニカ) 「充満式温度計」の意味・わかりやすい解説

充満式温度計
じゅうまんしきおんどけい
filled-system thermometer

温度の高低圧力の大きさに変換して測定する方式の温度計。液体または気体熱膨張を利用するものと、温度による蒸気圧の変化を利用するものとがあり、一定の物質計器内に充満・密閉して用いるもので、従来は圧力式温度計ともいわれた。構造は、感温部、導管、指示部からなり、指示部にはブルドン管圧力計に似た計器が用いられる。導管の長さは普通、数十センチメートルから数十メートルで、電気などのエネルギーを外部から供給しなくても遠隔測定を行えることが最大の特徴である。測定温度や状況に適した感温物質(水銀ケロシン、ヘリウムガスなど)を選び、数十℃の温度範囲を1~2℃の精度で測る目的に用いる。

[三井清人]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の充満式温度計の言及

【圧力式温度計】より

…液体または気体の圧力が温度によって変わることを利用した温度計。次の3種に分類されるが,そのうちの(1)(2)だけを圧力式温度計と呼ぶ場合もあり,その場合には,(3)を含めた全体を充満式温度計と呼ぶ。いずれも構造が簡単でじょうぶであり,記録計として利用する場合,電源を必要としないから便利で安全である。…

※「充満式温度計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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