先天性腸閉鎖症(読み)せんてんせいちょうへいさそくしょう(その他表記)Congenital Atresia of the Duodenum and Intestine

家庭医学館 「先天性腸閉鎖症」の解説

せんてんせいちょうへいさそくしょう【先天性腸閉鎖(塞)症 Congenital Atresia of the Duodenum and Intestine】

[どんな病気か]
 十二指腸(じゅうにしちょう)から結腸(けっちょう)までのどこかで腸の内腔(ないくう)が、生まれつき閉鎖されているか狭くなっている形態異常です。
 腸の内腔が膜のようなもので閉ざされているもの(膜様閉鎖型(まくようへいさがた))、腸の一部が、ひものようになっているもの(索状閉鎖型(さくじょうへいさがた))、腸が完全にとぎれていて、その先端が袋のようになっているもの(離断閉鎖型(りだんへいさがた))、離断閉鎖型が複数の箇所でおこっているもの(多発閉鎖型(たはつへいさがた))などのタイプがあります。
 おこりやすいのは十二指腸や小腸(しょうちょう)で、結腸におこることはまれです。
[症状]
 生後1~2日で胆汁(たんじゅう)のまじった嘔吐(おうと)、腹部膨満(ふくれ)、胎便(たいべん)の排出の遅れ(出生後24時間以上たっても胎便が出ない)などがみられます。
 腹部の単純X線検査で診断がつくことが多いのですが、造影X線検査を行なうと、より詳しいことがわかります。
[治療]
 低体温を予防するため保育器に収容し、点滴による輸液輸血抗生物質投与などを行ない、全身状態を改善させます。
 そのうえで、腸を開通させる手術を行ないます。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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