光田反応(読み)みつだはんのう(英語表記)Mitsuda's reaction

改訂新版 世界大百科事典 「光田反応」の意味・わかりやすい解説

光田反応 (みつだはんのう)
Mitsuda's reaction

癩(ハンセン病)の結節の抽出物を抗原として行う皮内反応結核菌に感染したことがあるかないかがツベルクリン反応でわかるように,癩菌に感染したことがあるかないかが皮内反応でわかれば,という狙いで,光田健輔によって創案されたもので,レプロミン反応ともいわれる。抗原は癩の結節を生理食塩水で煮て抽出する。その中には癩菌由来の数系統の抗原物質があって,幼時は陰性であるが,少年期以降は健康でもほとんど陽性反応を生じる。したがって所期の意図に反して癩病かどうかの診断には使えなかった。しかし光田反応の真の意義は,重症の癩腫型でむしろ陰性になり,軽症の類結核型で強陽性となることにある。境界群や未定型群では陰性や弱陽性を呈する。すなわち光田反応は,かなり変化に富む癩という病気の病型診断に使えるのである。のみならず,これから悪化して癩腫型に向かうときは光田反応は発疹の変化に先だって陰転し,逆に改善に向かうときには陽転することが以前から知られている。光田反応は日本人の名前のついた皮内反応で,癩治療における価値は高く評価されてきた。
ハンセン病
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「光田反応」の意味・わかりやすい解説

光田反応
みつだはんのう

レプロミン反応」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の光田反応の言及

【光田健輔】より

…日本の救癩事業に尽くした医師。光田反応など癩医学の面での業績も多い。山口県生れ。…

※「光田反応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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