児玉空々(読み)こだま・くうくう

朝日日本歴史人物事典 「児玉空々」の解説

児玉空々

没年:文化8(1811)
生年享保19(1734)
江戸中期の代表的な琴楽家。田安徳川家の儒臣。名は慎,字は黙甫,通称喜太郎,空々は号。江戸に住む。琴楽は,孔子のころよりの七弦琴の古楽で,文人の四芸である琴棋書画のひとつ。日本では奈良・平安時代に行われて一旦消滅し,江戸初期に,徳川光圀に招かれた明の禅僧東皐心越によって再興された。空々は和算家の幸田子泉に琴を学び,江戸牛込の安養寺で弟子100人を擁する琴社迎暾閣を興し,日本琴学の最盛期を招いた。空々が集めた多数の和漢琴譜,琴書は田安家に保存され,現在,国文学研究資料館に所蔵されている。

(岸辺成雄)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「児玉空々」の解説

児玉空々 こだま-くうくう

1735-1811 江戸時代中期-後期の琴楽(きんがく)家。
享保(きょうほう)20年生まれ。徳川三卿のひとつ田安家の儒臣。幸田親盈(ちかみつ)に七弦琴をまなぶ。江戸安養寺で門弟に教授し,定期的に琴会をひらく。和漢の琴譜,琴書をあつめた。文化8年7月21日死去。77歳。名は慎。字(あざな)は黙甫。通称は喜太郎。別号は宿屋空々

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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