入残(読み)いれのこし

精選版 日本国語大辞典 「入残」の意味・読み・例文・類語

いれ‐のこし【入残】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 入れるべきものが、まだ残っていること。また、その残されたもの。
    1. [初出の実例]「なく鶯は大坂のまなこ 夕詠め春日は西へ入残し」(出典:俳諧・西鶴大句数(1677)二)
  2. [ 2 ] 近世元祿一六八八‐一七〇四)頃流行した目薬の名。大坂北渡辺町北御堂の裏西門前にあった目薬屋、入残妙珍で発売した貝殻に入れた赤色膏薬。この膏薬を用いると、まだ残っているうちに全快するというところからいう。
    1. [初出の実例]「入残し西に傾く朧月〈西鶴〉 渡辺筋に降参の旗〈友雪〉」(出典:俳諧・両吟一日千句(1679)五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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