デジタル大辞泉 「降参」の意味・読み・例文・類語
こう‐さん〔カウ‐〕【降参】
1 戦いに負けて服従すること。「力尽きて
2 手に負えずに投げ出すこと。まいること。「君のしつこさには
[類語](1)陥落・落城・敗走・潰走・帰服・帰順・屈従・服従・忍従・降伏・投降・恐れ入る・負ける・ギブアップする・
たんに降とも称し,合戦において勢いが尽きて服従する行為をいう。降参した者すなわち降人は多く捕縛され,顔に紙をかけられる。これは中国の面縛の故事にもとづく作法であるが,降人の恥への配慮を加味したものでもあったという。後三年の役で清原武衡(たけひら)が降参を申し入れたにもかかわらず,源義家が降参とは戦場で戦わなかった者のみ命を助けるのが法であり,戦った者はこの限りではないとして武衡を斬ったという話もあるが(《奥州後三年記》),降参人にたいする扱いは時々の事情により異なった。また降参の仕方も軍記物の諸書に表現されているように,斬を請う意から〈頸(くび)を延べて降る〉場合,害心のないことを示す〈旗を捲き,刀を解き,兜を脱ぐ〉場合や〈手を束ねる〉などさまざまであった。このほか,降伏者が出家して僧形になることや名簿(みようぶ)を敵に送ることも,その間接的表現といえる。出家するという行為自体,世事に意なきことを示すことであり,《保元物語》で知られる源為義の出家や《太平記》に示されている高師直の場合もこれにあたる。さらに自己の名を録し与える名簿提出の場合も古来から服従の意味を示すものであり,《今昔物語集》に載せられているように戦わずして源頼信に名簿を送ったという平忠常の例などはこれにあたる。ほかにも人を介して降伏する場合や主君を殺して投降するなどさまざまな降参の仕方があった。
→降伏
執筆者:関 幸彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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