降参(読み)こうさん

精選版 日本国語大辞典 「降参」の意味・読み・例文・類語

こう‐さん カウ‥【降参】

〘名〙
戦いや争い・競争などに負けて敵に服従すること。投降降伏
保元(1220頃か)中「礼儀を存ぜば、弓をふせて降参仕れ」
② やっかいな事柄にどうしようもなくて閉口すること。手におえないで困りきること。まいること。
※浄瑠璃・男作五雁金(1742)安治川芝居足揃「何と見たか、皆降参降参」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉九「表のどぶへ金とんを掘りに行きませうと促がすに至っては僕も降参したね」

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デジタル大辞泉 「降参」の意味・読み・例文・類語

こう‐さん〔カウ‐〕【降参】

[名](スル)
戦いに負けて服従すること。「力尽きて降参する」
手に負えずに投げ出すこと。まいること。「君のしつこさには降参だ」
[類語](1陥落落城敗走潰走帰服帰順屈従服従忍従降伏投降恐れ入る負けるギブアップするかぶとを脱ぐシャッポを脱ぐ一本取られる敗れる敗北する敗退する完敗する惨敗する大敗する惜敗するやられる土がつく一敗地にまみれる屈するふくする屈服するくじけるひざを屈する敗戦負け戦ひざをかがめる軍門にくだ/(2閉口辟易参るお手上げ諦める思い切る断念観念往生諦念ていねん諦めギブアップくじける屈伏シャッポを脱ぐ途方に暮れる始末に負えない手に負えない手も足も出ないへこたれる

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改訂新版 世界大百科事典 「降参」の意味・わかりやすい解説

降参 (こうさん)

たんに降とも称し,合戦において勢いが尽きて服従する行為をいう。降参した者すなわち降人は多く捕縛され,顔に紙をかけられる。これは中国の面縛の故事にもとづく作法であるが,降人の恥への配慮を加味したものでもあったという。後三年の役で清原武衡(たけひら)が降参を申し入れたにもかかわらず,源義家が降参とは戦場で戦わなかった者のみ命を助けるのが法であり,戦った者はこの限りではないとして武衡を斬ったという話もあるが(《奥州後三年記》),降参人にたいする扱いは時々の事情により異なった。また降参の仕方軍記物の諸書に表現されているように,斬を請う意から〈頸(くび)を延べて降る〉場合,害心のないことを示す〈旗を捲き,刀を解き,兜を脱ぐ〉場合や〈手を束ねる〉などさまざまであった。このほか,降伏者が出家して僧形になることや名簿(みようぶ)を敵に送ることも,その間接的表現といえる。出家するという行為自体,世事に意なきことを示すことであり,《保元物語》で知られる源為義の出家や《太平記》に示されている高師直の場合もこれにあたる。さらに自己の名を録し与える名簿提出の場合も古来から服従の意味を示すものであり,《今昔物語集》に載せられているように戦わずして源頼信に名簿を送ったという平忠常の例などはこれにあたる。ほかにも人を介して降伏する場合や主君を殺して投降するなどさまざまな降参の仕方があった。
降伏
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