全割(読み)ゼンカツ(その他表記)total cleavage

デジタル大辞泉 「全割」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐かつ【全割】

動物受精卵卵割が卵全体にわたる形式のもの。等黄卵や端黄卵でみられ、割球の大きさがほぼ等しい等割と不均等な不等割とがある。→部分割

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精選版 日本国語大辞典 「全割」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐かつ【全割】

  1. 〘 名詞 〙 動物卵の卵割形式の一つ。卵全体に卵割面ができるもので、等黄卵や端黄卵のなかでも比較的卵黄の少ないものにみられる。生じた割球の大きさがほぼ同一な等割と、大きさが不等な不等割とに細分される。部分割に対する語。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「全割」の意味・わかりやすい解説

全割
ぜんかつ
total cleavage

動物卵の卵割の一型で,卵割面が卵全体にでき,完全に割球に分けられる卵割。部分割に対する語。等黄卵 (ウニ,ナメクジウオ) や,卵黄の少い端黄卵 (カエル) にみられる。卵割の最も基本の型で,卵黄の量を増すにつれ変形される。全割はさらに,割球の大きさの等しい等割と,等しくない不等割に分けられ,後者には螺旋卵割もある。

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世界大百科事典(旧版)内の全割の言及

【卵割】より

… 卵の貯蔵物質の中で,しばしば大きな顆粒(かりゆう)の形をとり,量的にも多い卵黄は,卵割のパターンに影響を与える。卵黄の量が比較的少ないウニや哺乳類などの卵は,通常の細胞分裂と同じように,完全に2個ずつの割球に分裂する全割を行うが,魚類や鳥類のように卵黄の量がおびただしくなると,卵割は卵表面のごく限られた扁平な領域でのみ行われる盤割となる。この場合の卵割は,卵黄に接する部分の細胞質が完全には仕切られない部分割である。…

※「全割」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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