全音階(読み)ゼンオンカイ(その他表記)diatonic scale 英語

デジタル大辞泉 「全音階」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐おんかい【全音階】

オクターブ全音五つと半音二つからなる音階。半音の位置により、長音階短音階とに分けられる。

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精選版 日本国語大辞典 「全音階」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐おんかい【全音階】

  1. 〘 名詞 〙 全音を基礎とした音階。一オクターブのなかに全音五つと半音二つを含み、長音階と短音階の別がある。
    1. [初出の実例]「第百十一条 此音階は、〈略〉全音階(〈注〉ダイアトニック)といふ」(出典:楽典初歩(1888)〈内田彌一訳〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「全音階」の意味・わかりやすい解説

全音階
ぜんおんかい
diatonic scale 英語
diatonische Tonleiter ドイツ語

全音階的音階、全音的音階ともいう。一オクターブを五つの全音と二つの半音とに分割したもので、近代西洋音楽の長音階と短音階(厳密には自然的短音階のみ)とをいう。19世紀中ごろからは半音階的な音が多く用いられたが、20世紀に入ってからは汎(はん)全音階主義のもと、全音階は復活した。また、全音階とは区別される全音音階は、一オクターブが6個の全音からできている音階で、全音階とは異なり、主音とそれに対する機能関係を欠いている点で、むしろ全音音列というべきであろう。これはリストドビュッシーによりよく用いられた。

[南谷美保]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「全音階」の意味・わかりやすい解説

全音階
ぜんおんかい
diatonic scale

音楽用語。オクターブ中臨時記号により変化されない音によってのみ構成され,5つの全音と2つの半音から成る音階で,正式には全音階的音階という。種々の教会旋法や長短調がこれに含まれる。ただし短音階のうち,全音階に含まれるのは厳密には自然短音階のみである。

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改訂新版 世界大百科事典 「全音階」の意味・わかりやすい解説

全音階 (ぜんおんかい)

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音楽用語ダス 「全音階」の解説

全音階(ダイアトニックスケール) [ diatonic scale]

オクターブ内に全音5つと半音2つを含む音階で、半音の位置によって、長音階(メジャースケール)と短音階(マイナースケール)に分けられる。

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世界大百科事典(旧版)内の全音階の言及

【音階】より

…旋律的短音階の下行形は自然的短音階と同じである。 これらの主として全音からなる長と短の7音音階は全音階と呼ばれるが,18~19世紀以後の音楽にはこの全音階の色づけとして半音が多く用いられるようになった。そして1オクターブを12の半音に分けた音階も考えられるようになり,これを半音階(図5)と呼ぶのである。…

【半音階】より

…半音階的音階ともいう。古代ギリシア語の〈彩色されたchrōmatikos〉を語源とし,全音階ないし全音階的音階diatonic scaleと対をなす(図1,図2)。12の半音程から成るオクターブ音階で表されるが,これは相互に等価な半音の連鎖ではなく,全音階を半音で充塡したものと解釈される。…

※「全音階」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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