八熱地獄(読み)ハチネツジゴク

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「八熱地獄」の意味・わかりやすい解説

八熱地獄
はちねつじごく

「八大地獄」ともいう。仏教で,殺生,偸盗,邪淫飲酒妄語などを行なった者が死後におもむくといわれる,(1) 等活 (とうかつ) ,(2) 黒縄 (こくじょう) ,(3) 衆合 (しゅごう) ,(4) 叫喚 (きょうかん) ,(5) 大叫喚,(6) 焦熱 (しょうねつ) ,(7) 大焦熱,(8) 阿鼻 (あび) の8種の最も恐ろしい地獄をいう。

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世界大百科事典(旧版)内の八熱地獄の言及

【地獄】より

…また宮廷では,毎年のように年末になると仏名会という懺悔滅罪の法会が行われたが,そのとき周囲には地獄絵を描いた屛風が立て回された。しかし,八熱地獄や八寒地獄などインド以来の仏教のさまざまな地獄観を体系的に記述したのは平安中期の源信であった。彼の主著である《往生要集》の第1章〈厭離穢土(おんりえど)〉は日本の地獄学の先蹤であるといってよく,その地獄の描写は信仰,思想,文学,美術,建築などの面で,その後の日本文化に甚大な影響を与えた。…

※「八熱地獄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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