八茎薬師(読み)やぐきやくし

日本歴史地名大系 「八茎薬師」の解説

八茎薬師
やぐきやくし

[現在地名]いわき市四倉町八茎

八茎岳の中腹にある。磐城三薬師の一つ。別当八茎寺は真言宗智山派で、八茎山常久院と号し、薬王やくおう寺の奥院と称した。「延寿護法録」によると、仁寿年間(八五一―八五四)の初め筑波つくば山の徳一が当山に薬師像を刻み、庵を結んだという。延享四年(一七四七)の薬王寺門末由緒(薬王寺蔵)によれば徳一により大同元年(八〇六)草創。あるいは同二年との説があり、貞治年中(一三六二―六八)当山が焼失して堂も焼けたが、命喜羅大神のみが松の枝に掛かっていたという。永享年中(一四二九―四一)岩城清胤は子息がなく当山に祈ったところ、妻が男子を産んだので薬師丸と名付けたが、掌に隆忠の文字があったので隆忠と名付けた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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