公の弾劾(読み)おおやけのだんがい(英語表記)public impeachments

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「公の弾劾」の意味・わかりやすい解説

公の弾劾
おおやけのだんがい
public impeachments

裁判官罷免するための一種の裁判手続。裁判官の身分保障について規定した日本国憲法 78条にこのことばがみられる。ここに特に「公の」とするのは,公務員選定,罷免が国民固有の権利であるとする憲法 (15条) の趣旨を受けて,弾劾が広く国民的基礎に立って公開の手続で行われなければならないことを明らかにしようとしたものであろうと理解されている (裁判官弾劾法 26) 。

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世界大百科事典(旧版)内の公の弾劾の言及

【弾劾】より

… 日本の弾劾制度は,明治憲法の制定の過程で,大臣や官吏の弾劾について検討された形跡があるが,制度として実現することはなく,日本国憲法において初めて設けられた。それは,裁判官に対する〈公の弾劾〉であり,国会の各議院の一定数で組織される弾劾裁判所という特別な裁判所の裁判により裁判官を罷免させる制度である(日本国憲法64,78条)。弾劾を国会の権能とし,弾劾裁判所が国会に設けられるとしているが,その活動は,立法府における議院のそれではない。…

※「公の弾劾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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