自然数mがいくつかの自然数a1,a2,……,asのどれについてもその倍数であるとき,mはa1,a2,……,asの公倍数であるという。a1,a2,……,asの公倍数全体はa1,a2,……,asの最小公倍数の倍数全体と一致する。例えば,3個の自然数4,6,10の最小公倍数は60で,4,6,10の公倍数は60の倍数60,120,180,……である。なお,負の公倍数を考えることもある。整数に限らず多項式に対しても同様に公倍数という言葉を使う。例えば,(x+1)2(x2+1)3は(x+1)(x2+1)2,(x+1)2(x2+1)3の(最小)公倍数である。なお,多項式fが公倍数のとき,fの定数倍afも公倍数であるが,ふつうその中の一つで代表させる。
執筆者:杉江 徹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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