法律用語。立法技術の一つであり,Aという場合についての法規を,必要な変更を加えたうえで,Bという類似の場合に適用することをいう。民法13条(禁治産の宣告の規定および禁治産宣告の取消しの規定の準禁治産への準用)や手形法77条(為替手形に関する規定の約束手形への準用)などはその例である。準用はその論理操作の性質上類推に似ているが,後者は解釈技術であり,前者は立法技術である点で区別される。たとえば刑罰法規の解釈においては類推解釈禁止の原則が妥当するが,立法技術としての準用は刑法251条・255条のように刑事法の領域においても用いられている。準用は法文を簡素化することができる反面,準用の際の〈必要な変更〉の要否について解釈上の疑義を招くことがある。なお判例による法の解釈において〈準用〉という表現が用いられることがあるが,これは類推解釈とほぼ同一のものと考えられる。
執筆者:桂木 隆夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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